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睡眠研修は「受けて終わり」でいいのか?企業の睡眠施策で大切な行動変容

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睡眠研修は「受けて終わり」でいいのか?企業の睡眠施策で大切な行動変容

睡眠研修は「受けて終わり」でいいのか?企業の睡眠施策で大切な行動変容

2026/10/01

【企業・社会×睡眠を考える5日間|DAY2】

昨日のブログでは、"オフィスが「働く場所」だけではなく、「休み、回復する場所」へ変わり始めている"という最近の動きを紹介しました。


今回、5日間にわたって取り上げているのは、「企業や社会の中で、睡眠・休養の扱われ方がどう変わってきているのか」というテーマです。

 

1日目は、「場所」に注目しました。
そして2日目となる今回は、「人の行動をどう変えるか」という視点から考えてみたいと思います。


企業の健康施策として、「社員向けに睡眠研修を実施する」という取り組みも少しずつ広がっています。
僕自身も企業や団体に向けて、睡眠研修を行っています。

 

睡眠について学ぶ機会をつくることは、とても大切です。
なぜなら、僕たちは毎日眠っているにもかかわらず、睡眠について体系的に学ぶ機会がほとんどないからです。


ただ、最近の企業事例を見ていると、「睡眠について知ってもらう」だけではなく、その先の「行動変容」まで考えるという動きも見えてきました。
では、企業の睡眠研修は「受けて終わり」でいいのでしょうか?

 

「知った」だけでは、なかなか生活は変わらない

例えば、睡眠研修で、
「朝は光を浴びましょう」
「睡眠時間を確保しましょう」
「生活リズムを整えましょう」
と学んだとします。

 

その場では、
「なるほど」
「今日からやってみよう」
と思うかもしれません。

 

でも数日後。

 

仕事が忙しくなる。
帰宅が遅くなる。
スマートフォンを見ていたら時間が経っていた。

 

気づけば、以前と同じ生活に戻っている。
これは、睡眠に限った話ではありません。

 

「知っている」と「できている」は違います。
さらに、「できる」と「続けられる」も違います。

 

睡眠改善の難しさは、まさにここにあると思っています。

 

企業の睡眠施策も「行動変容」へ

最近、このことを改めて考える企業事例がありました。
レゾナックでは、ニューロスペースとともに従業員の睡眠改善に向けたプログラムを実施しています。

 

特徴的なのは、単に睡眠についての知識を伝えるだけではなく、「知る」→「自分事化する」→「行動する」という流れまで設計されていることです。
ニューロスペースの発表によると、参加者の約80%が睡眠満足度の改善を実感したとされています。

 

もちろん、一企業の取り組みなので、どの会社でも同じ結果になるとは限りません。
僕がこの事例で注目したのは数字そのものよりも、「睡眠について教えて終わり」にしていないことです。

 

だからといって「単発研修には意味がない」わけではない

ここは、誤解してほしくないところです。

 

僕自身、単発の睡眠研修も行っています。
そして、単発研修には大きな役割があると思っています。

 

それが、「睡眠と向き合うきっかけをつくること」です。


これまで睡眠について考えたことがなかった人が、「自分、意外と眠れていないかも」と気づく。
朝起きても疲れていることを「いつものこと」で済ませず、「もしかしたら睡眠も関係しているのかな?」と考える。
そして、「一つくらい生活を変えてみようかな」と思う。

 

その、最初のキッカケをつくる。

 

これだけでも、研修を実施する意味はあると思っています。
企業としても、最初から大きな睡眠施策を始める必要はありません。

 

まずは、睡眠について知る機会をつくる。
そこから始めてもいいんです。

 

でも「行動を変える」なら、その先も考える

一方で、企業として

 

「社員に知ってもらう」だけではなく、実際に生活習慣を変えてほしい。
さらに、その行動を継続してほしい。

 

というところまで目的にするのであれば、研修後の設計も重要になります。

例えば、

 

自分の睡眠状態を振り返る。
改善したい行動を一つ決める。
実際に取り組んでみる。
できたかどうかを振り返る。
できなかった理由を考える。
自分の生活に合わせて方法を変える。
そして、また取り組む。

 

睡眠改善は、知る → やってみる → 振り返る → 調整する → 続けるという小さなサイクルを回していくことで、少しずつ生活の中に入っていきます。


全員に同じ「正解」を渡さない

そして、企業で睡眠施策を行うとき、もう一つ難しいことがあります。
それは、社員一人ひとりの生活が違うことです。

 

朝から働く人。
夜勤がある人。
子育てをしている人。
家族の介護をしている人。
通勤時間が長い人。
残業が多い人。

 

生活環境が違う以上、
「○時に寝ましょう」
「毎日これをしてください」
という同じ方法を、全員が実践できるわけではありません。

 

だからこそ大切なのは、「睡眠に良いことを教える」だけではなく、「自分の生活なら何ができるのか」を考えてもらうことだと思っています。

 

一人ひとりが、「これならできそう」という行動を見つける。
そして、実際にやってみる。


ここまで設計できると、研修で得た知識が日常に繋がりやすくなります。

 

そもそも「研修ありき」で考えなくてもいい

さらにもう一歩考えると、企業が睡眠に取り組むとき、必ずしも最初から研修を実施する必要はありません。
まず、社員の睡眠について知るというところから始めてもいいと思っています。

 

例えばアンケートなどを活用して、

・どれくらい睡眠時間を確保できているのか。
・朝に疲労感が残っている人はどれくらいいるのか。
・日中に強い眠気を感じていないか。
・睡眠についてどんな悩みを抱えているのか。
こうした現状を可視化するイメージです。

 

すると、「まず全社員に研修をしよう」という会社もあれば、


「夜勤者へのサポートを考えた方がいい」
「管理職に睡眠について知ってもらう方が先かもしれない」
「個別相談が必要な人がいるかもしれない」

 

という会社も出てきます。

 

課題が違えば、必要な睡眠施策も違います。
だから、「睡眠研修を導入するか?」から始めるのではなく、「今、自社ではどんな睡眠・休養の課題があるのか?」から考える。

 

僕は、この順番が大切だと思っています。

 

「睡眠研修をする」ではなく、「何を変えたいのか」

企業から睡眠について相談をいただいたとき、僕自身も最近、より意識していることがあります。
それが、「なぜ睡眠に取り組みたいのか?」ということです。

 

社員に睡眠について知ってほしい。
健康意識を高めたい。
日中のコンディションについて考えてほしい。
夜勤者をサポートしたい。
安全管理につなげたい。
働き続けやすい職場環境をつくりたい。

 

目的によって、必要な取り組みは変わります。
だから僕自身も、「睡眠研修を売る」のではなく、企業が抱えている課題に対して、睡眠・休養という視点から何ができるのかを一緒に考える。
そんな支援をしていきたいと思っています。

 

「場所」の次は、「行動」

5日間の1日目では、「働く場所に回復を組み込む」という変化を取り上げました。
そして2日目となる今回は、「睡眠について教える」から「実際の行動が変わるところまで考える」という変化について考えてみました。


でも、企業ができる睡眠への取り組みは、これだけではありません。

 

研修。
アンケートによる現状把握。
行動変容のサポート。
睡眠・休養環境の整備。
個別相談。
そして、必要な場合には医療につなぐ。

 

実際の企業事例を見ていくと、「睡眠研修をする・しない」という二択ではなくなってきています。
では、企業は睡眠に対してどこまでできるのでしょうか。

 

明日のDAY3では、「企業の睡眠対策は『セミナー』だけじゃない」をテーマに、企業で広がり始めている睡眠施策の選択肢を見ていきたいと思います。


睡眠は、人生への投資です。


企業の睡眠施策も、「何か一つ実施すること」を目的にするのではなく、働く人にどんな変化をつくりたいのか。
そこから逆算して考えることが、大切になっていくのではないでしょうか。

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